カタログCGとは何か
静止画で“見せる”、動きで“伝える”新時代の製品ビジュアル
カタログCGとは、製品・商品をリアルに表現した3DCG(コンピュータグラフィックス)によるビジュアル表現のことです。従来はスタジオでの撮影が主流でしたが、近年ではデジタル上で精緻に再現されたCGによる製品カタログが、企業のブランディングや商品訴求に欠かせない手段となっています。
CGカタログは「静止画」と「動画」の2種類に大別されます。静止画は従来の印刷カタログやECサイトに多く用いられ、一方で動画CGはWebや店頭モニター、SNSなどの販促媒体で活用されます。カメラでは撮れないアングルや、現実では難しい演出も自在に表現できるため、製品の機能美や質感を深く伝えることができます。
項目 | 静止画CG | 動画CG |
主な用途 | 印刷物、商品ページ、POP等 | Web広告、プレゼン、展示会など |
特徴 | 高精度なリアリティ、撮影不要 | 構造の分解、回転、変形などの演出可 |
メリット | 撮影コスト削減、色変更も自由 | 見せ方の自由度が高く理解を促進 |
使用媒体 | 印刷・PDF・EC・SNS投稿 | YouTube・LP・店頭ディスプレイ等 |
単なる代替手段ではなく、表現・演出の自由度が高いCGは、新しい“見せる力”を持つマーケティングツールとして注目を集めています。
カタログの媒体によって異なるCG制作のポイント
メディアによって異なる「伝えるべき情報」の設計思想
カタログCGは、その掲載先によって設計思想や表現方法が変わります。印刷用のカタログでは、解像度や色域に制限があるため、細部の描き込みや静的な構図が重視されます。一方、Web用では拡大表示・動画・インタラクティブ表現が可能なため、動きや展開で魅せるダイナミズムが求められます。
媒体 | 表現の特徴 | 制作時のポイント |
印刷カタログ | 高解像度・静止画前提・CMYK対応 | 紙面構成に合わせたアングル選定/過剰演出は避ける |
Webカタログ | 動的・高視認性・光沢や動きが効果的 | レンダリング後の加工で強調表現/動画や3Dビューワ対応 |
モバイル表示 | 小画面でも視認性重視 | 拡大に耐える画質設計とレイアウト配慮 |
SNS広告向け | 1~3秒で伝える演出力 | キャッチ性の高い構図・アニメーション設計が重要 |
印刷物では「1ページ内での整合性」が、Webでは「インタラクティブ性や視覚的インパクト」が重視される傾向にあります。そのため、媒体ごとの特性を意識したCG設計が、訴求力を最大限に引き出す鍵となります。
カタログCGが選ばれる理由と導入メリット
撮影不要、コスト最適、演出自由——だから今CGが選ばれる
製品ビジュアルにおけるCGの活用は、年々その比率を高めています。その背景には、撮影にかかる時間・コスト・ロケーション制限といった課題を克服しつつ、表現の柔軟性と修正対応のしやすさを両立できるというメリットがあります。
比較項目 | 実写撮影 | カタログCG |
撮影環境 | 実機・スタジオ必要 | 仮想空間で完結、実機不要でもOK |
修正対応 | 撮り直しが必要 | CGデータ上で再調整・差し替え可 |
バリエーション対応 | 背景・色・部品差異ごとに再撮影 | モデル変更だけで対応可能 |
コスト感 | セットや小道具・スタッフが必要 | 長期的にはコスト削減効果が大きい |
表現力 | リアルな質感だが制限あり | 見せたい機能・断面図・変形も可能 |
また、CGで制作したデータはそのまま、動画・AR・VR・販促資料などに「二次活用」できるのも大きな利点です。撮影に比べて持続可能性の高いビジュアル資産としても注目されています。
商品ジャンル別に見るCGカタログの制作事例
業種や製品によって変わる“見せ方”の戦略
カタログCGは、製品ジャンルによって表現の工夫や制作アプローチが異なります。家具・家電・自動車・住宅設備など、それぞれの業界ごとに「見せたい情報」や「重視されるディテール」が変わるため、それに応じたレンダリング手法・構図・マテリアル設定が求められます。
商品ジャンル | 特徴的なCG表現 | 見せ方のポイント |
家具・インテリア | 木目の再現、空間との相性、生活感 | 背景セットとの組み合わせで使用シーンを演出 |
家電・デジタル製品 | 光沢、メタル感、スイッチや画面の質感 | 商品単体の美しさを際立たせる単色背景が効果的 |
キッチン・住宅設備 | 水や金属、人工大理石などの表現精度 | 光源設定と水回りの反射がリアリティに直結 |
自動車・バイク | 曲面反射・金属質感・背景との一体化 | スタジオライティングと屋外レンダリングの併用 |
建材・パーツ類 | 単品表現と設置例の両方が求められる | 実寸感のあるレイアウト+拡大演出 |
たとえば、家具であれば空間との組み合わせが重要で、部屋の広さ・床の素材・光の入り方までも含めて演出することで、購買意欲をかき立てるようなシーンづくりが可能です。一方、工業製品では無駄な背景を省いて“質感勝負”に徹する表現が好まれます。
このように、商品ジャンルごとに「主役の見せ方」が変わることを理解したうえでCG設計することが、効果的なビジュアルを生む鍵となります。
カタログCGとブランディングの関係性
カタログCGは単なる製品画像ではなく、企業ブランドを可視化する“顔”としての役割も担っています。とくにデザイン性や世界観が重視される業界では、CGビジュアルのトーン・構成・カラーパレットが企業イメージの根幹に関わってくることも少なくありません。
ブランド戦略とCG制作の整合性を保つためには、次のような要素の一貫性が求められます。
ブランディング要素 | CG表現での統一ポイント |
ロゴ・ブランドカラー | 背景・光の演出に反映させ、製品だけでなく世界観を統一 |
世界観(ナチュラル/スタイリッシュ等) | 空間構成・小物・フォント選定に反映 |
製品コンセプト | コンセプトに沿った構図・視点・素材演出 |
シリーズ間の整合性 | 商品間でのCG演出のテンプレートを活用し統一感を保つ |
たとえば「北欧テイストの家具ブランド」であれば、木質感・自然光・余白を活かした構図が好まれるでしょうし、「高級家電ブランド」であれば、暗めの背景にライティングを強調したドラマチックな表現が適しているかもしれません。
このように、CG表現は製品単体の訴求を超えて、ブランドの世界観そのものを構築する重要な構成要素となります。そのため、制作チームとブランディング部門、または外部のアートディレクターなどと協業して、トーン&マナーを徹底することが求められます。
業界活用事例(家具メーカー/住宅設備メーカーなど)
カタログCGの効果を実感するには、実際に導入している企業の事例を知ることが非常に参考になります。以下に2つの業界から代表的な活用ケースを紹介します。
家具メーカーA社:販促スピードとSNS対応力を強化
A社は、従来は実物家具をスタジオ撮影し、紙カタログや店頭POPに使用していました。しかし展示スペースやコスト、納期の問題から、全商品に対応できず、販促スピードにも限界を感じていました。
そこでCGを導入し、商品開発段階から3Dデータを活用することで、
- 新製品の発売前に販促素材を用意
- 色違い・サイズ違いをリアルタイムで出力
- Webカタログ、ECページ、Instagram投稿まで一貫したビジュアル展開が可能
という大きなメリットを獲得しました。結果として、商品訴求のスピード感がアップし、顧客からの認知・反応も向上しました。
住宅設備メーカーB社:営業現場の提案力を強化
B社では、システムキッチンや洗面台、浴槽などの住宅設備を扱っており、これまでは営業がカタログと手書きスケッチで顧客に提案していました。
しかし、「実際に設置したときのイメージが湧かない」という声が多く、成約率やクロージングの精度に課題がありました。
そこでCGを活用し、
- 複数パターンのシミュレーションパースを営業担当がタブレットで提示
- 天井・床・照明条件に応じたパターンを事前に用意
- プレゼン資料への展開や、カスタマイズ説明にも利用
といった形で、提案の“見える化”とスピード対応を実現。特にリフォーム案件では、顧客の意思決定が早まり、商談成立率が向上しました。
実写撮影とCG表現の比較(費用・柔軟性・演出力)
「撮る」から「創る」へ、選ばれる理由が変わってきた
従来のカタログ制作では、商品が完成し、スタジオで撮影し、それを紙やWebに落とし込むという流れが一般的でした。しかし、昨今ではCGがその代替ではなく、選択肢の“第一候補”となりつつあります。
それは単に費用面の問題だけではなく、柔軟性・演出力・データ活用の幅広さといった複合的な理由によるものです。
比較項目 | 実写撮影 | CG表現 |
事前準備 | 実機・ロケーション・備品などが必要 | 3Dデータさえあれば即制作可能 |
費用構成 | 人件費・機材・場所代・小道具等が発生 | 初期コスト高めだが流用性が高く長期的に有利 |
時間管理 | 撮影日の天候や現場調整が必要 | 制作環境が一定で予測可能性が高い |
表現制限 | 照明・構図に現実的な制約あり | 任意の視点・ライティングで自由に表現可能 |
修正対応 | 再撮影が必要で非効率 | 色替え・角度変更もデータ上で対応可 |
CGの初期コストはやや高く感じられるかもしれませんが、バリエーション展開・将来の転用・メディア横断での再利用を含めると、コストパフォーマンスは極めて高いといえます。
とくに製品バリエーションが多い企業では、CGの導入が全体コストの最適化に直結することも珍しくありません。
商品の魅力を引き出すCG演出テクニック
「リアルすぎず、演出過剰でもない」バランス感が鍵
魅力的なカタログCGを作るうえで重要なのは、単にリアルに再現するだけでなく、“どうすれば商品の魅力がより伝わるか”を設計思想に落とし込むことです。そのためには、細部までこだわったマテリアル設定と、演出意図をもったライティング・構図の工夫が求められます。
テクニック | 効果 | 活用例 |
ドライマッピング(色違い展開) | 同じ形状で色や素材を変更して見せる | 家具や衣料品のバリエーション訴求に有効 |
カットアウェイ(断面図) | 内部構造や機能を視覚的に伝える | 家電・建材・設備機器などに活用される |
フォーカスブラー | 注目させたい部分に視線を集める | 新機能やロゴ強調、ディティール訴求など |
シネマティックライティング | 情緒や質感を引き出す照明演出 | 高級感やデザイン性を訴える製品に最適 |
空間演出(部屋・背景) | 使用シーンをイメージさせ購買を促す | 住宅設備・家具・雑貨などで有効 |
また、表現が過剰になると「嘘っぽく」見えてしまうため、リアルと演出の境界をどう設計するかが制作者の腕の見せ所でもあります。
見栄えだけでなく、「誰に、何を、どう伝えたいのか」を明確にし、それに沿ったビジュアル表現を組み立てていくことが、成功するカタログCGの本質といえるでしょう。
カタログCG導入前に検討すべき「目的設定と社内調整」
CGカタログ制作を成功させるためには、技術的な完成度以上に“導入前の目的設定と社内連携”が極めて重要です。とくに初めてCGを導入する企業や部署では、「なぜCGにするのか」「何に使うのか」が曖昧なまま進めることで、仕上がったCGが活用されずに終わるケースもあります。
カタログCGの導入にあたって、まず整理すべきポイントは次の3点です。
検討事項 | 内容 | 想定される失敗例 |
制作の目的 | EC掲載用/商談資料用/展示会用など | 全体のトーンやフォーマットが統一されない |
対象製品と展開内容 | 全製品?一部製品?色違いは? | モデルごとに仕上がりやクオリティがばらつく |
社内の役割分担 | 情報提供者・承認者・チェック担当の整理 | 担当不明でスケジュールが遅延・混乱する |
また、CG制作に関わる部署が複数にまたがる場合、営業部門とデザイン部門、製品開発部門での“表現ニーズの違い”がすれ違いを生みやすい点にも注意が必要です。
たとえば営業は「顧客に刺さる魅力的な演出」を求める一方で、設計部門は「スペックや実寸が正確に再現されているか」を重視します。CGはこの両立が求められるため、導入前に社内で合意形成し、目的・用途・役割を明確化することが成果につながります。
CG制作フローと制作依頼時の注意点
プロジェクト成功の鍵は「すり合わせ」と「可視化」
カタログCGを外部に制作依頼する際は、納期や費用だけでなく、“どこまでを誰が担うか”という工程ごとの役割分担を明確にしておくことが重要です。CG制作には、モデル制作・マテリアル設定・ライティング・レンダリング・レタッチなど複数の工程があり、各ステップにおいて確認のタイミングを設けないと、後戻りのコストが膨らみがちです。
制作工程 | 内容 | 依頼時の注意点 |
モデリング | 3Dモデルの形状構築 | 製品図面やCADデータの精度と整合性を確認 |
マテリアル設定 | 質感・色味の再現 | 実物見本や製品素材写真を共有すること |
カメラ・構図決定 | アングルや画角を調整 | 複数案を出して選べるとスムーズ |
ライティング | 光源配置と雰囲気設定 | 実際の環境を参考に設定をすり合わせる |
レンダリング | 最終画像の出力 | 時間がかかるため、事前に予備日を設ける |
レタッチ・納品 | 不要物除去・色調整など | 納品形式(TIFF/JPEG/PSD)を明記する |
とくに依頼者側が設計部門や営業部門の場合、“絵として良い”と“商品情報として正確”が両立しているかを確認する役割が重要です。また、ラフ案や参考写真、表現イメージなどを明確に伝えることが、修正回数の軽減とクオリティ向上につながります。
カタログCG制作におけるよくある失敗例とその対策
CGだからこそ起こる「見落とし」に要注意
CGは“自由度が高い表現”であるがゆえに、現実との乖離や情報の齟齬が生まれやすい側面もあります。とくに量産カタログやEC用途などで多く見られる失敗には、いくつかの典型パターンがあります。
よくある失敗 | 具体例 | 対策方法 |
現実と寸法が合わない | ボタン位置やサイズ感が実物と異なる | 正確な寸法図と製品仕様書を共有する |
色味が異なる | 印刷で想定と違う色が出た | CMYK用のカラーマネジメント確認をする |
背景が浮いて見える | 空間CGとの合成が不自然 | ライティング方向と影表現の整合をとる |
見せたい機能が伝わらない | 内部構造や開閉機能が省略されている | アニメーションや断面図を活用する |
CGらしさが出すぎる | 金属が安っぽく見える、質感がのっぺり | PBRマテリアルや光源の調整で改善可能 |
特に「リアルに見える=伝わる」ではないため、用途(販促/技術紹介/訴求点)に応じた演出の目的整理と、その方向性を踏まえた表現選定が重要です。
カタログCGの今後とAR・VRとの融合
静止画から体験型へ、進化する製品ビジュアル
カタログCGの役割は、従来の「静止画による情報伝達」から、「体験を共有するインタラクティブなメディア」へと進化しています。とくにWebベースでの製品体験・AR(拡張現実)・VR(仮想現実)との連携は、今後の主流になりつつあります。
技術 | 活用例 | 期待される効果 |
ARカタログ | スマホで家具を部屋に配置してシミュレーション | 購買前の不安を解消しコンバージョンUP |
VR展示会 | 仮想空間内で製品を360度自由に体験 | 距離・時間を超えたプレゼンが可能に |
Web 3Dビューア | ECサイト上で回転・ズームして商品を見る | 説明不要のビジュアル体験を提供 |
こうした技術には高解像度の3Dデータが前提となるため、CGで構築されたモデルは今後の販促や商品管理の中核となっていく資産とも言えます。
つまり、カタログCGはもはや「紙やWebの飾り」ではなく、“企業の情報インフラ”そのものに進化しつつあるのです。
CG制作の費用目安と見積もり時のチェックポイント
“いくらかかる?”の答えは仕様次第
カタログCGの費用は、制作内容や目的によって大きく変動します。簡単な静止画1枚の表現と、商品を回転・分解させるアニメーションでは、工数・専門性・納期がまったく異なるからです。
目安としては、以下のような価格帯で想定されることが多くあります。
内容 | 費用相場(目安) | 補足事項 |
静止画1カット(背景なし) | ¥30,000〜¥70,000 | 単体商品、簡易背景・単色背景 |
静止画1カット(シーン込み) | ¥80,000〜¥150,000 | 空間演出、家具や小物、床壁込み |
アニメーション(10〜30秒) | ¥150,000〜¥400,000 | 回転・分解・テキスト演出含む |
モデリング作成 | ¥20,000〜¥100,000 | 製品の複雑さにより大きく変動 |
VR・AR用データ変換 | ¥50,000〜¥200,000 | 軽量化やリアルタイム用最適化含む |
見積もり時には、“制作する内容だけでなく、使い道”も必ず共有することがポイントです。「販促用なのか」「社内資料用か」「汎用的に再利用したいか」によって、データ構造や納品形式が変わってくるからです。
さらに、以下のようなチェック項目を事前に整理しておくと、無駄のない依頼が可能になります。
チェック項目 | 確認するべき内容 |
制作目的 | 静止画/動画/ARなど用途を明確に |
モデルの有無 | 3Dデータの有無・支給形式・修正の必要性 |
バリエーション数 | 色違い・サイズ違いなどの展開数 |
希望納期 | 必須日と柔軟な日程の線引き |
修正対応範囲 | 回数制限や料金発生ポイントの確認 |
CG制作は「あとから修正できる」強みがありますが、仕様がぶれるとその分コストも増えるため、初期の情報共有がなにより重要です。
カタログCG制作に関するよくある質問(FAQ)
Q. 実物の商品がなくてもCG制作できますか?
A. はい、図面や参考資料があれば制作可能です。
製品の3面図やCADデータ、現物写真、寸法情報などをもとにCGモデルを構築できます。実物がない開発段階でのプレゼン用CG制作もよく行われています。
Q. 既存の3Dデータを使ってCGにできますか?
A. 形式と品質により可能です。
3ds、FBX、STEP、IGESなどの3D形式があれば活用できます。ただしデータ整理や変換作業が必要になる場合があります。
Q. カタログCGとWeb動画は同時に依頼できますか?
A. 可能です。
同じモデルを使って、静止画と動画を同時制作するケースはよくあります。目的ごとに演出を変えることで、効果的なメディア展開が可能です。
Q. 印刷カタログとWebの色が違って見えるのはなぜ?
A. 色空間の違い(RGBとCMYK)によるものです。
印刷はCMYK、WebはRGBを使うため、同じ色でも発色に差が出ます。印刷物で正確な色味を出すには、専用の色校正や色見本との照合が必要です。
Q. CGで作った製品ビジュアルは、海外展開でも使えますか?
A. はい、ローカライズ対応すれば海外展開にも活用可能です。
カタログCGは言語に依存せず、視覚的に情報を伝える力が強いため、海外向け資料・展示会でも高い効果を発揮します。実際に、製品の3Dデータを多言語版カタログに展開し、現地向けの販促資料に展開する企業も増えています。
海外展開で活用する場合は、
- 単位(mm↔inch)の表記変更
- モデル番号や製品名の表示切り替え
- 説明テキストやUIの多言語対応
- 法規制に応じた仕様表示の差し替え
などが必要になるため、汎用的に使える“マスターCG”を設計しておくことがポイントです。これにより、1つのビジュアル資産を国内外で横断的に活用することが可能になります。
まとめ:カタログCGは「伝える」から「体験する」時代へ
カタログCGは、ただ美しく商品を見せるだけではなく、使い手の想像力を喚起し、購買や興味を後押しする“体験型の表現手段”へと進化しています。
撮影では表現しづらかった光沢感、断面、分解構造、使用イメージ、色違い展開――こうした情報を、CGなら効率的かつ美しくまとめることができます。また、制作したデータはWeb・印刷・動画・SNS・AR・VRなど、さまざまなメディアでの活用が可能なため、費用対効果の面でも非常に優れたマーケティング資産となります。
これからの製品プロモーションでは、「情報を並べる」だけではなく、「視覚で伝え、感性に響かせる」ことがより重要になります。CGカタログはその最前線にあり、表現と技術、ビジネスの交点でますます不可欠な存在となっていくでしょう。