建築系のサイトやオフィスデザインについて調べていると、「パース」「イメージパース」という言葉を多く見かけると思います。この「パース」とはどんなもので、いつ使われるのでしょうか。
今回はイメージパースの種類、使う場面や作り方、作成時のポイントについて紹介します。
そもそもイメージパースとは?どんな場面で使うの?
「パース」というものは、建築・インテリア業界で設計したプランのイメージ画像のことを言います。英語で「視点」という意味の「perspective」から来ていて、この意味の通り人の視点に立ったパースもあれば、上から全体を俯瞰するような鳥瞰パースがあります。
またパースには視点だけでなく2D、3Dパースという種類があります。2Dパースはイメージ「画像」であり、視点を動かしたりできませんが、見せたい部分に集中して3Dより比較的早く完成させることができます。一方3Dパースはイメージ「モデル」ということができ、模型のように360°回転させたり、色々な視点から見ることが出来ます。
画像のタッチにも様々なものがあり、手書き風の温かみあるものから実物を撮影したようなリアルなものまで、伝えたい事柄や目的によって様々なパースがあります。
ではこのイメージパースとはいつ、どんな場面で使われるのでしょうか。
1つ目は、ハウスメーカーや建築設計事務所などが顧客に設計のイメージ画像を提示する際です。建築やインテリアは空間を形作るものなので、図面や口頭での説明だとどうしても想像しづらかったり、認識に相違が生まれやすくなります。そこで、イメージパースを使う事によって設計案を視覚的にわかるようにし、調整したり、今後のトラブル防止になります。
2つ目は、設計やインテリアデザインを依頼する際、あらかじめどのようなデザインにしたいか決め、それをイメージパースにして要望を伝えるときです。どんな建物にしたいか、どんな内装にしたいか具体的なデザインのイメージが決まっている人は、先にパースを作成しておき、なるべく要望通りの施工が行われるようにします。
このように、イメージパースは依頼主がわも、施工会社がわもどちらも利用する場面が出てきます。
イメージパースの作り方3つを紹介!手描きからCGパースまで
前述したように、イメージパースは自身の提案を正確にわかりやすく伝えるのに必要なツールになります。では、このイメージパースはどのようにして作成するのでしょうか。ここでは、イメージパースの代表的な作り方を3つ紹介します。
1. 手描きで作成する

まず一つ目は、手描きで作成する方法です。この場合、作れるのは2Dパースに限りますが、パソコンソフトなどを使うスキルが必要なく、最も感覚的で簡単に作成できる方法です。作り込みの程度も自分が表現したい程度で良いので、デザインを考える過程でも使える手段になります。ただし、遠近感や全体のプロポーションが崩れてしまうと空間の把握ができないので、一点透視図法や二点透視図法など空間を把握しやすい図法を用いて作成することをおすすめします。
2. CGソフトを使って作成する

2つ目は、パソコンのソフトを使ってCGパースを作成する方法です。2D、3D両方を作成でき、手書きよりもより詳細でリアルなパース作りができます。しかしパソコンソフトの習得にはある程度時間がかかり、また自分が作りたいものと自分がパースで表現できる技術の範囲があっていないとうまく作成できないので、パソコンスキルがパースのクオリティに大きく影響します。さらにパソコンのソフトは無料から有料のものまで様々ですが、リアルなパースを作ろうとするほど無料の範囲では難しくなってきます。
3. 外注する
1つ目も2つ目も自分には難しい、社内に詳しい人がいないという場合は、イメージパースの作成を行っている会社に外注するのも1つの手です。2D、3Dに加え、最近ではVR技術を用いたパースも作成しているところもあります。パースの種類ごとに納期や価格も様々なので、まずは色々な会社のプランを見てみましょう。
イメージパース作りで注意することは?
ここまでイメージパースの利用場面や作成方法について紹介してきました。では実際イメージパースを作成するとき、どんなことに注意すればうまくいくのでしょうか?ここでは最後に、イメージパース作成時の注意点について説明します。
1.コンセプトとパースのタッチが合っているか
まず一つ目に注意して欲しいのが、実現させたいイメージとパースで表現しているタッチに違いがないかということです。例えば、オフィスの内装をシックでモダンな印象にしたいという時に、パースで柔らかな線を多用した温かみのある印象にすると、どんなコンセプトなのか、実現させたいイメージが伝わりにくくなってしまいます。特に手書きのパースでこの現象が起きやすいので、自分のイメージとパースのイメージを合わせることを常に意識しながら作成しましょう。
2.パースに必要な要素を満たしているか?
2つ目に注意して欲しいのが、パースを使って説明したいことがそのパースの機能に盛り込まれているかということです。例えば建物の入り口から廊下を通ってリビングに行き着くまでの順路を説明したい時には、2Dパースよりも3Dパースを用いてパースを動かしながら説明した方が、相手もイメージしやすくなります。プレゼンを効率的に行うためにも、パースで何を説明したいのか、作成したパースでそれが達成できるのかを考えてから作成に取り掛かりましょう。
3.パースに要素が詰め込まれすぎていないか
3つ目に注意して欲しい点は、あれもこれもとパースに要素を詰め込みすぎないことです。1つのパースに伝えたいことが詰め込まれすぎていると、パッとそれをみた時に何を伝えたいのかがわかりにくくなってしまいます。まずは全体の概要が分かるパースを作成して、細かい部分のパースを要所要所で付け加えるといった方法で作成すると後から加える説明も含めてわかりやすいプレゼンができます。
【まとめ】
いかがでしたか?
イメージパースは利用したい場面が突然やってくるのに、いきなり作成しようとおもってもなかなかうまく作成できないことが多いです。
そんな時は、思い切ってプロの力を借りてみるのもおすすめです。
自分のイメージを的確に伝えられるようなパース作りをしましょう。