CGパースとは?価格の幅が広い理由
空間を視覚化する「パース」の役割
CGパースとは、建築物や空間を3DCG技術によって視覚的に表現した完成予想図のことを指します。設計図や模型では伝えきれない質感・光・スケール感をリアルに伝えることができるため、クライアントとのイメージ共有や広告・営業ツールとして広く使われています。
CGパースの価格は、その完成度や用途によって大きく異なります。なぜなら、単なる絵ではなく、建築図面やBIMデータをもとに「建築的正確性」と「映像的演出性」を両立させるための高度な技術と時間が必要だからです。
項目 | CGパースの目的 | 表現する内容 | 技術的難易度 |
---|---|---|---|
建築確認用 | 設計意図の伝達 | 室内・外観の立体再現 | 中〜高 |
クライアント提案用 | イメージの共有 | 素材感・照明・視点移動 | 高 |
広告・販促用 | 購買意欲の促進 | 世界観・ブランディング要素 | 非常に高い |
料金相場の全体像
一般的なCGパース制作の価格帯
CGパースの料金は、主に「空間の種類」「描画範囲」「表現レベル」「修正回数」などで決まります。ここではもっとも依頼が多い静止画CGパースの相場を見ていきます。
空間の種類 | 制作内容 | 相場価格(1枚あたり) |
---|---|---|
戸建住宅(外観) | 日中の外観1方向 | 3万〜7万円 |
戸建住宅(内観) | リビング・寝室など1空間 | 3万〜8万円 |
マンション・集合住宅 | 共用部や室内 | 5万〜10万円 |
商業施設・ホテル等 | 照明・演出あり | 10万〜20万円 |
大型公共建築 | 多視点・高解像度 | 15万〜30万円 |
表にあるとおり、CGパースの料金には明確な“グレード”があります。これはCG表現が「何を、どこまで再現するか」によって、作業の質・量ともに大きく変動するからです。
同じ住宅でも価格差が生まれる理由
たとえば、同じ戸建住宅の内観であっても、以下のような要素によって価格は大きく上下します。
要素 | 内容 | 料金への影響 |
---|---|---|
モデリングの有無 | 図面からの立体作成が必要か | 高ければ+1〜3万円 |
マテリアル指定 | 壁材・家具・照明などの細かさ | 多いほど+2万円以上 |
光の演出 | 朝・昼・夜の切り替え | 時間ごとの設定で+5,000円〜 |
画角・アングル | 複数構図の出力 | 1構図ごとに+1〜3万円 |
パース制作の工程と料金構造
どこにコストがかかっているのか
CGパースの料金は、単に「描いている時間」に対してではなく、企画・設計・制作・修正の各工程に費用が発生しています。特に初回ヒアリングと設計意図の理解・変換に時間をかけるプロほど、仕上がりが美しく、納得感のあるパースになります。
工程 | 作業内容 | かかる時間と費用 |
---|---|---|
ヒアリング | 用途・スケジュール・希望イメージの確認 | 約2〜5時間(無償または基本料金含む) |
モデリング | 建築図面から3Dデータを作成 | 約6〜12時間(基本料金に含む) |
マテリアル設定 | 質感・色味・光沢・反射など | 約3〜6時間(制作費に含む) |
ライティング設定 | 光源・影・空の演出設定 | 約2〜4時間(表現力を左右) |
レンダリング | 高解像度画像の出力処理 | 約1〜4時間(スペックにより変動) |
修正対応 | 指示に基づく変更対応 | 回数・内容によって追加費用あり |
表現スタイル別に見る価格の違い
写実系とデザイン系で分かれる料金体系
CGパースの世界では、「写実系」と「デザイン系(イメージ重視)」という2つの大きなスタイルが存在します。写実系とは、実際の建物に極めて近いリアルな質感と構図を再現するタイプで、素材や照明の正確さが求められます。一方、デザイン系は表現の自由度が高く、抽象的で雰囲気重視のアート的パースも含まれます。
この2つは、制作にかかる時間もスキルも異なるため、料金にも明確な違いが生じます。
表現スタイル | 特徴 | 主な使用目的 | 相場価格(1枚) |
---|---|---|---|
写実系CGパース | 写真のようなリアリティ | 建築確認・施主提案 | 5万〜15万円 |
デザイン系CGパース | アーティスティックな表現 | コンセプト提案・広告 | 3万〜10万円 |
イラスト風パース | 手描き調・カラー強調 | イベント・販促資料 | 2万〜6万円 |
商業施設や店舗設計では“演出力”が重視される
特に店舗やホテル、レストランといった空間では、パースの役割が「設計の説明」から「空間の魅力の演出」へとシフトします。そのため、単に現実に近いだけでなく、ブランドの世界観や顧客体験を可視化できるパースが求められ、照明演出や素材のきめ細かさによって価格も高くなります。
CGパース制作を依頼する際のポイント
発注者側が用意すべき情報とは
クオリティの高いCGパースを効率よく制作してもらうには、依頼側の「情報整理」が極めて重要です。依頼時に以下の項目を明確に提出することで、制作側もスムーズに作業を開始でき、納期やコストの面でもメリットが大きくなります。
必要情報 | 内容例 | 備考 |
---|---|---|
図面データ | 平面図・立面図・断面図・仕上表 | CADまたはPDF形式が一般的 |
イメージ資料 | 参考写真・素材サンプル・内装イメージ | ピンタレストや過去物件の例も有効 |
視点・構図指定 | どこからどの方向を見せたいか | カメラの高さや位置も添えると◎ |
希望納期 | ○月○日までに納品希望 | 修正含めた日数で余裕をもつ |
予算感 | 1枚あたり○万円以内など | 明確に提示する方が交渉しやすい |
トラブルを防ぐためのチェック項目
発注後のトラブルとしてよくあるのが「イメージと違った」「納期に間に合わない」「修正回数で追加費用が発生した」といったケースです。これを防ぐために、契約前に以下のポイントを確認しておくことをおすすめします。
確認項目 | 内容 | 対策 |
---|---|---|
修正ポリシー | 何回まで無料か/どの段階で修正可能か | 契約書または見積書に明記 |
中間チェックの有無 | レンダリング前に途中確認できるか | 初期段階で見せてもらう |
ファイル形式 | JPEG/PNG/TIFFなど | 使用目的に合った形式を指定 |
二次利用可否 | Webや広告で再利用できるか | 著作権の取り扱いを明確に |
制作会社による価格差の実態
フリーランスと法人、どちらが安いか
CGパース制作を依頼する際、選択肢としては「個人(フリーランス)」と「法人(制作会社)」があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらが優れているというよりも、目的と予算、納期に応じて最適な選択をすることが重要です。
発注先 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
フリーランス | 個人で活動する制作者 | 柔軟な対応・価格が安い | 納期リスク・品質にばらつきあり |
制作会社 | 組織化されたチーム | 安定した品質と体制 | 費用がやや高め/柔軟性に欠ける |
制作会社の場合は、アートディレクター・モデラー・編集者といった複数人の専門家が分業するため、細部まで丁寧に仕上がるケースが多く、クライアントのブランド価値を守る意味でも安心です。一方、スピード重視・コスト重視であれば、信頼できる個人制作者との直接取引も有効です。
業種別に見るCGパースの料金相場とニーズの違い
住宅業界でのCGパース料金と特徴
住宅業界においてCGパースは、設計提案や施主説明、販売促進において欠かせないツールとなっています。特に注文住宅では施主が空間を想像するのが難しいため、パースがあることで完成後のイメージをよりリアルに共有できます。料金は比較的リーズナブルで、物件数が多い場合はまとめて発注されるケースもあります。
内容 | 制作対象 | 価格帯 | 備考 |
---|---|---|---|
外観パース | 戸建て1棟/1視点 | 3万〜6万円 | アングル追加ごとに+2万円 |
内観パース | リビング・キッチンなど1室 | 4万〜8万円 | 建具・家具の作り込みにより増減 |
街並みパース | 複数棟の並列構成 | 7万〜15万円 | 開発分譲の販売用など |
商業施設・ホテル業界でのCGパース活用
商業施設やホテルでは、空間そのものがブランドやサービス体験と直結するため、写実性と演出性の両立が求められます。質感の細部や光の演出にこだわることが多く、CGの作り込みが非常に精緻になるため、住宅に比べて高価格帯になります。
対象施設 | 内容 | 価格帯 | 備考 |
---|---|---|---|
店舗パース | 売場や什器を含めた空間再現 | 10万〜20万円 | 商品展示との連動演出が鍵 |
ホテル内観 | 客室・ラウンジ・レストラン等 | 12万〜25万円 | 照明・素材表現の完成度で差別化 |
モール・複合施設 | 複数エリアの鳥瞰・導線パース | 15万〜30万円 | 大規模な構成で構成編集も含む |
公共建築・行政案件における位置づけ
自治体や官公庁が発注するCGパースは、地域住民向けの説明資料や、入札・コンペ用の提案書に添える目的で作られることが多いです。住民が直感的に理解できることが求められ、リアルな写実性というよりも「わかりやすさ」や「安心感」の演出が重視されます。
建築種別 | 使用目的 | 価格帯 | 補足 |
---|---|---|---|
公民館・福祉施設 | 住民説明会資料用 | 6万〜10万円 | 機能性の伝達重視 |
学校・教育施設 | 改修案・新築案の可視化 | 8万〜15万円 | 子ども・保護者向けに演出する場合も |
インフラ施設 | 橋梁・駅舎など | 10万〜20万円 | インパクト+信頼性を演出 |
見積書の読み方と費用内訳の見極め方
正当な費用と高すぎる見積りの違い
CGパースの見積書には、専門的な項目や工程が記載されることが多く、初心者には判断が難しいこともあります。価格が適正かどうかを見るためには、「作業工程の記載が明確か」「単価が根拠に基づいているか」を基準にチェックするとよいでしょう。
見積項目 | 内容 | 妥当な価格範囲 |
---|---|---|
基本モデリング費 | 図面からの3D化作業 | 1万〜3万円 |
内装マテリアル設定 | 家具・壁・床材の質感調整 | 1万〜2.5万円 |
ライティング設定 | 照明効果・影処理・時間帯演出 | 0.5万〜1.5万円 |
レンダリング費用 | 高解像度出力処理 | 1万〜3万円 |
修正対応 | 軽微〜大幅変更 | 回数・難易度に応じて見積もり |
海外との料金比較と日本の特徴
日本のCGパースは「精度重視」、海外は「演出重視」
海外では、アート性やドラマ性を前面に押し出したCGパースが多く、価格も高額になる傾向があります。対して日本は、設計図に忠実であること、現実に即していることが求められ、建築的正確性が優先されます。 この文化の違いが、制作スタイルや価格体系にも反映されています。
地域 | 主な特徴 | 料金相場(1枚) | 備考 |
---|---|---|---|
日本 | 図面ベース・建築精度重視 | 5万〜15万円 | 合理的で丁寧な仕事が主流 |
欧米 | 写実+ドラマティックな演出 | 10万〜25万円 | CGアーティスト主体の制作 |
東南アジア | 簡易レンダリングで高速対応 | 1万〜5万円 | コストパフォーマンス型 |
CGパースの納期と制作スケジュールの目安
制作期間はどのくらいかかるのか
CGパースの納期は、案件の規模や表現のクオリティによって大きく変わります。一般的には、1枚あたり5営業日〜10営業日が目安とされますが、複数カット・複雑なモデリング・アニメーション要素がある場合は、さらに日数がかかります。
納期の目安を理解しておくことで、急な依頼やプレゼン前の駆け込みにも余裕を持った発注が可能となります。
パースタイプ | 納期目安(通常) | 備考 |
---|---|---|
外観パース(住宅) | 5〜7営業日 | モデリング済みであれば短縮可 |
内観パース(住宅) | 6〜10営業日 | 家具・小物が多いと日数増加 |
商業施設・ホテル | 10〜15営業日 | 高精度表現には時間が必要 |
複数構図セット | 15〜20営業日 | カメラ位置ごとに処理が必要 |
納期短縮のための工夫
発注者側の対応次第で、納期は短縮することも可能です。特に以下の3点を明確に伝えることができれば、制作側も作業の着手が早まり、完成までのスピードが向上します。
対応項目 | 効果 | 注意点 |
---|---|---|
図面・資料の早期提出 | モデリングが即可能に | 最新の設計図かを確認 |
アングルの事前指定 | カメラ設計の時間短縮 | 視点がずれると修正時間が増える |
マテリアル指定の明確化 | 調整時間の短縮 | 色番や製品名まで書くとベスト |
静止画パースと動画パースの料金差
「動くパース」はどれだけ価格が上がるのか
CGパースといえば静止画が主流でしたが、近年ではウォークスルーやアニメーションなど「動画パース」の需要が急増しています。空間のスケール感や動線をより直感的に伝えることができ、特にプレゼンや営業で強力な訴求力を発揮します。
当然ながら制作の工程が増えるため、費用も大きく異なります。以下のように、動画尺に比例してレンダリングや編集の負荷も高まることを考慮しましょう。
パース形式 | 特徴 | 価格帯(目安) |
---|---|---|
静止画1枚 | 完成度重視の単体パース | 3万〜15万円 |
30秒動画パース | 室内または外観の短尺映像 | 15万〜25万円 |
60秒以上動画パース | カメラ移動+時間演出+BGMあり | 25万〜50万円 |
ナレーション付き動画 | 台本制作・収録含む | +5万〜10万円程度 |
使用ソフトによる料金の違いと選定理由
高機能ツールは価格に反映されるのか
CGパースは、使用するソフトウェアによって制作効率や表現力が大きく異なります。高機能・高解像度なレンダリングが可能なソフトは、ライセンス費用も高額であるため、それを使用する制作者や会社の料金も相対的に高くなる傾向があります。
使用ソフト | 特徴 | 想定ユーザー | 価格傾向 |
---|---|---|---|
3ds Max + V-Ray | 写実性が高くプロ向け | 建築ビジュアライザー | 高価格帯(10万〜) |
Lumion | 高速・直感的操作が可能 | 建築設計者 | 中価格帯(5万〜15万) |
Blender | 無料で高機能、個人制作にも対応 | 学生・個人事業主 | 低価格帯(2万〜10万) |
Twinmotion | BIM連携・リアルタイム対応 | Revit/Archicadユーザー | 中〜高価格帯 |
制作費は「ツールの質」だけで決まるわけではありませんが、ソフトの選定によって演出の幅と制作時間に違いが出ることは確かです。
パースの価格に影響する意外な要因
季節感・人物・植栽などの演出要素
CGパースにリアリティや雰囲気を加えるために、人物モデルや植栽、小物といった装飾的な要素が多用されることがあります。これらは一見些細に見えますが、配置のバランスや自然さを出すために細かな調整が必要であり、料金にも影響します。
また、時間帯を変える(朝・昼・夕景・夜景)といった演出や、季節感を演出する樹木・光の変化なども、制作負担を増す要因です。
表現要素 | 内容 | 価格への影響度 |
---|---|---|
人物挿入 | 自然な生活感やスケール感の演出 | 中〜高(+0.5万〜1.5万円) |
植栽/花壇 | 季節演出・外構の自然感 | 中(+0.5万〜1万円) |
時間帯変更 | 昼〜夕景、夜景切り替え | 高(+1万〜2万円) |
雨・雪などの天候表現 | アニメーションも含む場合あり | 高(+2万円〜) |
修正対応と追加料金の考え方
「何回まで無料?」の実態と交渉ポイント
CGパース制作でトラブルになりがちなのが修正対応に関する認識の違いです。多くの制作会社では、見積りの時点で「初回納品後、○回まで修正無料」などと規定されていますが、何をもって“修正”とするかの基準があいまいだと、後々の追加費用につながります。
たとえば「壁の色を変更」は軽微な修正ですが、「家具のレイアウトを変えてほしい」「構図を大幅に変えたい」となると、ほぼ再制作に近く、当然追加料金が発生します。修正指示を出す際は、「修正の種類」と「タイミング」を意識することが肝要です。
修正種類 | 内容 | 追加料金の目安 |
---|---|---|
軽微な色調整 | 壁・床・照明などの色変更 | 無料〜5,000円 |
小物の追加/削除 | 観葉植物・家具1点の差し替えなど | 5,000円〜1万円 |
アングル変更 | 視点位置の変更(1カメラごと) | 1万円〜3万円 |
モデル修正 | 壁位置や形状の変更・大幅再構築 | 2万円〜5万円以上 |
修正を減らすための「確認フェーズ」の重要性
多くのプロ制作会社では、“中間確認”を設けているかどうかがトラブル防止の鍵になります。ラフ段階・構図仮案・マテリアル設定などの途中段階で確認・承認を行うことで、最終納品物に対する満足度と精度が高まります。
フェーズ | 確認内容 | 意義 |
---|---|---|
構図確認 | 視点・アングル・構成要素の配置 | 初期ズレを防止 |
マテリアル確認 | 質感・色・仕上げ材 | クライアントの意図を反映 |
ライティング確認 | 時間帯・光の強さ | 印象の大部分を左右する要素 |
最終レンダリング | 解像度・完成形 | 出力前の最終調整が可能 |
複数カット・複数バリエーションの料金戦略
セット割やバリエーション指定でコストを最適化
CGパースを1枚だけでなく、複数構図や色違い、素材違いで展開する場合には“セット価格”が適用されることが多く、依頼者にとってコストパフォーマンスが高まるメリットがあります。
また、販売物件や商品提案など、「同じ空間構成を元にしたバリエーション提案」は、基本モデルの使い回しができるため、1枚ごとの単価が抑えられるのが特徴です。
発注形態 | 内容 | 単価の傾向 |
---|---|---|
単発1枚 | 単独構図・オリジナル制作 | 通常価格(5万〜15万) |
複数構図(2〜3カット) | アングルのみ変更 | 1枚あたり約20%割引 |
カラーバリエーション | 床材・壁紙・家具色などの差し替え | 1案あたり+5,000〜2万円 |
時間帯バリエーション | 朝・昼・夕・夜などの光設定変更 | +1万〜3万円(1シーン追加) |
プレゼン提案やEC商品説明にも活用
複数案のパースがあることで、プレゼン時に比較説明がしやすくなるだけでなく、クライアントが自ら選択肢を選べる「参加型の提案」にもつながります。また、ECサイトの商品紹介ページや広告バナーなど、複数のカットを使い回して“マルチチャネル展開”することで、費用対効果をさらに高めることも可能です。
実例紹介:実際に依頼されたCGパースの料金と内容
戸建て住宅外観パース(個人住宅/設計事務所からの依頼)
埼玉県内の設計事務所が施主への最終確認用に発注した事例。木造2階建て住宅の南面外観を写実的に仕上げたもの。指定されたポイントは「素材の質感再現」と「植栽を含めた街並みとの調和」。制作期間は約6営業日。
項目 | 内容 |
---|---|
制作枚数 | 1枚(外観) |
アングル | 正面やや斜めから |
使用ソフト | Lumion + Photoshop |
修正回数 | 2回(色と照明調整) |
料金 | 税込55,000円 |
商業施設エントランス(店舗設計会社からの依頼)
都内に新設される複合商業施設のテナント内装プレゼン資料。印象的な照明演出とブランドサインをCGパースで強調。照度や素材設定にこだわりがあり、夜景バージョンとの2案を作成。
項目 | 内容 |
---|---|
制作枚数 | 2枚(昼・夜バリエーション) |
アングル | アイレベルで入り口と内部を同時に捉える構図 |
使用ソフト | 3ds Max + V-Ray |
修正回数 | 1回(看板の配置変更) |
料金 | 税込154,000円(2枚分) |
公共施設(図書館改修案/コンペ提案用)
地方自治体の建築コンペに提出するためのパース。外観1枚と内観(吹き抜け空間)1枚のセットで、構図と構成に設計意図を明確に反映。訴求性と説明性を両立した表現。
項目 | 内容 |
---|---|
制作枚数 | 2枚(外観+内観) |
使用ソフト | SketchUp + Enscape |
納期 | 約10営業日 |
修正回数 | 3回(文字・光・素材微調整) |
料金 | 税込121,000円(セット割適用) |
よくある質問(FAQ)
CGパースは何日くらいで納品されますか?
通常、静止画1枚で5営業日〜10営業日が目安です。複数カットや動画の場合はそれ以上かかることが多いため、余裕を持ったスケジューリングが必要です。
図面がなくてもCGパースは作れますか?
可能ですが、図面がない場合はラフスケッチや口頭説明からモデルを起こす必要があるため、追加費用(1万〜3万円程度)がかかるケースがあります。
修正は何回まで対応してもらえますか?
多くの制作会社では2〜3回程度まで無料とされており、それ以上は内容に応じて別途費用が発生します。契約前に確認しましょう。
CGパースの解像度はどれくらいですか?
標準的には4,000ピクセル前後の高解像度(A3相当)で納品されます。展示用ポスターや大画面出力が必要な場合は、さらに大きなサイズでの出力依頼も可能です(追加費用あり)。
動画パースとの違いは何ですか?
静止画は1カットの完成イメージを伝えるのに向いており、動画パースは動線・時間・雰囲気などの連続性を伝える点で優れています。費用や制作期間も動画の方が大きくなります。
相見積もりを取ってもいいのですか?
もちろん可能です。むしろ複数社に見積りを依頼することで、費用・スケジュール・品質の比較検討ができ、納得のいく依頼につながります。
費用を安く抑えるにはどうしたらいいですか?
以下の3点が有効です。
- 図面・素材・構図を事前にまとめる
- 修正回数を最小限に抑える
- 同一構成で複数枚をまとめて発注することでセット割引を受ける
海外のフリーランスに依頼するのはどうですか?
コストは安く抑えられることが多いですが、言語の壁や品質のばらつき、著作権・契約の曖昧さに注意が必要です。信頼できるプラットフォームや仲介者を通すのが望ましいです。
CGパースは著作権フリーですか?
基本的には著作権は制作者にあります。クライアントは使用許諾を得て利用する形が一般的です。再利用や二次使用をしたい場合は、事前に合意を取りましょう。
個人でもCGパースを発注できますか?
はい、可能です。注文住宅を建てる施主や、店舗を開業する個人事業主が提案確認やSNS用に依頼するケースも増えています。
まとめ:CGパース料金を理解することは、空間提案の質を高める第一歩
CGパースは単なる「建物の完成予想図」ではありません。それは、設計者とクライアントの間にある言語的・空間的なギャップを埋め、建築の意図・空間の魅力・ブランドの世界観をダイレクトに伝える可視化ツールです。
その料金は、制作内容の複雑さ・表現のリアルさ・納期のスピード・修正対応の有無など、さまざまな要因によって構成されています。単に「高い/安い」で判断せず、何にコストがかかり、どのような表現が可能になるのかを正しく理解することが最も重要です。
記事内で紹介したように、CGパースの制作費は一般的に3万〜15万円程度が主流であり、表現の幅や目的によっては動画・アニメーション・VRなどさらに高機能な可視化へと進化します。
発注者としては、以下の点をしっかり押さえておくことで、より満足度の高い制作が実現できるでしょう:
- 必要な情報や素材は事前に整理して渡す
- 構図や演出のイメージを明確に共有する
- 見積もりは構成項目ごとに根拠を確認する
- 修正方針と納期の余裕を確保する
また、パースは1回きりで終わるものではなく、プレゼン・広告・Web・SNS・動画コンテンツなど、多用途で再活用できる資産的コンテンツでもあります。単に「見せるため」ではなく、“伝える・惹きつける・売れる”ツールとして戦略的に活用していく視点が、今後ますます重要になるでしょう。
CGパースの料金を正しく理解し、価値ある制作パートナーと出会えれば、空間提案の質も、ビジネスの成果も確実に変わります。
本記事がその第一歩となれば幸いです。